幸福はささやかに・・・

わたしのたましいが

ふと 余計なものは整理しようと思った まだ くすぐったい感覚があるうちに ピアニッシモが弾けるうちに 千切りキャベツがうまいうちに 味がよくわかるうちに たくさんあっても大丈夫な人と そうでもないわたし 物とこころと自分が同列でありたいから ぼんや…

詩をひとつ

私を束ねないで 新川和江 わたしを束ねないで あらせいとうの花のように 白い葱のように 束ねないでください わたしは稲穂 秋 大地を焦がす 見渡す限りの金色の稲穂 わたしを止めないで 標本箱の昆虫のように 高原から来た絵葉書のように 止めないでください…

いつまでもわすれない

しろつめくさ ~たからもの~ 思い出のなかのわたしは 草に寝っ転がって いつも コロ(犬)に見守られていた 鶏は虫をついばみ、 わたしは頬杖をついて 空想にふけっていた 長い時間 そうしていられた ポプラの葉がキラキラ光り 大好きなクローバーはふかふ…

3月号の原稿からちょこっと。

*3月号の冊子の最後に載せる、いつもさらっと書いている自分のコーナーです。ページ数によって、割愛することもしばしば。ブログ用に少し解説も加え・・今回は、こんな風。 喫茶去 思遠 早くも弥生を迎え、陽射しもいよいよ春めいてまいりました。いつもで…

好きな本から

およそどんな冗舌にも不足していないような時代に不足しているのはただ一つ、ほんとうに必要な言葉だ。みずからゆたかに沈黙できるような言葉だ。 モーツアルトのように─長田 弘『私の好きな孤独』より とても好きな長田弘さん、今日はその一節が心に響きま…

12月号の冊子に掲載する名詩

五億年 村上昭夫 五億年の雨が降り 五億年の雪が降り それから私は 何処にもいなくなる 闘いという闘いが総て終りを告げ 一匹の虫だけが静かに歌っている その時 例えばコオロギのようなものかもしれない 五億年以前を鳴いたという その無量のかなしみをこめ…